手締め
 
いわゆる宴会の最後(途中の場合もあるが)に「締め」を行うとき、多くの人(全員)が立ち上がって手を叩くのである。しかしこの手の叩き方を調べていくと意外な再発見をしたのである。
 
1.音頭をとるのは主催者にあり
 「締め」もおもてなしの一部である。よって、締めの音頭は主催者側、通常の宴会なら「幹事」が行う。よく「では締めの音頭を来賓の○○様に」というのは、失礼に当たるのである。
 加えていえば、もし来賓の立場の時にお願いされたら、断るのが礼儀とか。
 
2.何故に手をいっぱい叩くのか。
 締めというと、シャシャシャン・シャシャシャン・シャシャシャン・シャン と
 3・3・3・1 の計10回が1セットである。何故この数になるのか、謎掛けのようであるが、最初の3・3・3で計9(ここのつ)これは漢数字の「九」に通ずるのである。
さらに屁理屈を言えば3で一画分になり、ゆっくりと「九」を書いたときの早さ(筆書きなら急いで書いた早さ)と九回手を叩いているのが合致するらしい。そして、最後のシャンと手を1回叩くのは、漢数字の九にちょんと点を打つ部分だそうである。「九」にちょんと点を打つと「丸」という漢字になる。つまり、手を9+1の10回叩くと、丸、そう丸く収まるという意味があるらしい。現在の宴会はそれほどでもないが、かつては、酒が入る席というのはとにかくどんちゃん騒ぎで収拾に苦労したのかも知れない。
 
3.三本締めには手順がある。
 宴会の終わりに幹事が出てきて、「お手を拝借」と言って三本締めを始めるとき、やはり手順がある。こじつけに近いが、三本のひとつひとつに口上を述べるの必要らしい。
例えば「それでは、○○会社の今後の発展を祈念して一本、今日お集まりの皆様のこれからのご活躍に一本、そして今日この会場を提供していただいた○○店に一本の三本で締めたいと思います。」という感じである。その後に声高らかに「ヨォーッ!」と発声するのは、集まっている人たちの調子を整える(バラバラに叩き始めない)意味もあるが、もとは「祝おう」が転じて「ヨォーッ」なったという説が大きいのである。だから大きな声で発声らしい。そして、手を叩き始めるのである。
 
4.正しい「一本締め」
 よく中締めの際に一本締めでというのがよくある。しかし、この一本締めというのは、三本締めを簡略化したものであり、場合によっては三本締めてしまうとあとがなくなるからと言う意味もあるらしい。で、何を簡略化するかというと、こじつけのような口上とあとの2本分の締めを略するのである。
 だから、幹事が「ヨォーッ」と声を掛けてシャシャシャン・シャシャシャン・シャシャシャン・シャン と10回手を叩くのが、正しい一本締めなのである。
 それでは、「ポン」と一回だけ手を叩くのは何なのか。正しくは「一丁締め」という。
世間には「関東一本締め」とか言う人もあるが、いくらせっかちな江戸の人でも、省略してしまっては意味が変わってしまう。一説には、その筋の人たちが使ったのが始まりという説がある。味方と思っていた中に敵がいるという事があった場合、何回も手を大きく叩いていては脇が甘くなりブスッと短刀で刺されると命が終わってしまうため、隙を見せないために、脇を締めて、そのままポンと小さく強く叩くらしい。
(詳細をご存じの方は教えていただきたいが。)
 くれぐれも前に述べたように、10回手を叩くことに意味がある事を忘れないで欲しい。
 
4.他の締め方
(1)大阪には「大阪締め」なるものが存在する。
 やり方は、
 ♪打〜ちましょ(パンパン) ♪も一つせ(パンパン) ♪いおう(祝う)て三度(パパンパ)
  おめでとうございますぅ〜(パチパチパチ)
 と行う。しばらくの間、舞台関係でも使っていなかったらしいが、桂米朝さんなどが復活
 をさせたらしい です。
(2)一つ目上がり
 やり方は、最初は人差し指だけで一本締めをして、次に中指を加えて打ち、次は薬指を加え、
 小指を加え、最後にすべての指で打つ方法である。
 手の打ち方は、一本締め×5回です。
 つまり、
 1回目 人差し指
 2回目 人差し指・中指
 3回目 人差し指・中指・薬指
 4回目 人差し指・中指・薬指・小指
 5回目 人差し指・中指・薬指・小指・親指
 で、「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん」と手を打つわけです。
 少しずつ大きな音になっていくのを楽しむ手締めです。5回目に急に音が大きく聞こえるので
 機会があったらちょっとやってみたい締め方です。。

(3)吉原締め
 一本締めの後に、加えて七回手を打ちます。
 つまり、手の打ち方は、
 「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん、
  ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん」
 となります。これも、普段はなかなかお目にかからない、珍しい締め方の一つです。


(他の手締めは捜索中)
 
※この文章を書くに当たり、本来なら出典元を示す必要があるが、あまりにも多くのところから調べたためわからなくなってしまった。出典元の皆様に誠に申し訳ない事をここに付記させていただきたい。
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